京都の日々々記

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京都から大阪の移動方法を比べてまとめてみました

Kyoto Station

大阪は京都からとても近く、京都に住んでいても仕事に遊びに何かと行き来する場所です。京都と大阪の移動には、それぞれの都市を結ぶ電車が便利です。

京阪間にはJRが2本、私鉄が2本の合計4本の路線が通っていますが、それぞれの電車ではどのような違いがあるのか、移動にかかる時間や費用、ターミナル駅をはじめ、安く移動する方法まで、いろいろな面から比較してまとめてみました。

 

京都と大阪の移動手段

京都大阪間を走る電車には、阪急京都線京阪本線JR京都線東海道線)、そして東海道新幹線の4種類があります。そもそも、京阪間になぜ4本もの線路が走っているのか、4路線の違いは何か、まずは歴史的な経緯を踏まえながら見ていきましょう。

JR京都線東海道本線

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JR京都線は、JRの東海道本線のうち京都駅から大阪駅の間を指す、JR西日本が運行する路線です。

 

私鉄である阪急・京阪と比べると明らかですが、元は国が造った鉄道であるため、いろいろな面でとても余裕のある路線だといえます。具体的には全区間で走行速度に影響するような大きなカーブがほとんど無く、さらに全区間複々線(上りに2本、下りに2本の線路)となっており、各駅停車の電車と新快速など優等車両を線路ごとに分離できます。

この余裕さは線路脇の空き地の広さを見ても一目瞭然でしょう。阪急や京阪は狭いスペースにこぢんまりと線路を設置しているのに対し、JRは広大な土地に贅沢に線路を配置しています。民間と国の違いはこういったところにも表れていますね。

 

かつて国鉄時代には京阪間の移動において私鉄に大きな溝を空けられていました。

しかしJRへと変わって以降、JR京都線はその贅沢な設備を活かし、私鉄キラーともいえる追加料金不要で最高時速130キロの新快速を設けています。これにより京都・大阪間を最速28分で運行しているため、もはや私鉄はこのスピードに追いつけなくなっています。

 

阪急京都線

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阪急京都線は、京都・河原町四条河原町)と大阪・梅田を結ぶ、阪急電鉄の路線です。

 

前述のとおり、もともとは京阪電気鉄道の新京阪線という路線であり、当時は京阪京都駅四条大宮)-大阪・天神橋駅(天神橋筋六丁目)を結んでいました。

第二次世界大戦中の国策で、阪急(当時は阪神急行電鉄)と京阪電気鉄道が合併し、阪急の十三―淡路―千里山をつなぐ路線と接続することになります。そういったこともあり、戦後合併を解消するにあたって、新京阪線は強い影響力を持っていた阪急電鉄の手中に収まりました。

阪急はその後路線を京都側は河原町まで延伸、大阪側は終点を天神橋筋六丁目から梅田へと変更し、現在に至ります。

このあたりの詳しい話は、Wikipediaをご参照ください。

 

京都最大の繁華街である四条河原町四条烏丸と、大阪最大の繁華街である梅田という、両都市の中心部同士を結ぶ路線です。

速度や所要時間はJRに及びませんが、京阪本線よりは速いというイメージです。最近は観光客向けの特別な内装をほどこした特急「京とれいん」も設定されました。

 

京阪本線

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京阪本線は、京都・出町柳と大阪・淀屋橋を結ぶ、京阪電気鉄道の路線です。

 

東海道線に続いて作られた路線であり、当時京都と大阪間にあった多数の街や集落を結ぶように計画されたため、かなりカーブが多く速度も出しにくい路線です。(京阪電気鉄道カーブ式会社と揶揄されたそうです。)

どうしても時間がかかってしまうという欠点が、より京阪間を直接・短時間で結ぶ新京阪線(現阪急京都線)の建設につながりました。もっとも、戦後のどさくさで新京阪線を阪急に譲り渡すことになるのですが……。

 

京都・出町柳から、繁華街である河原町通に近い三条、四条を通り、大阪のビジネス街・淀屋橋までを結んでいます。阪急とは異なって繁華街同士を直結していませんが、京阪間の移動では目的地や用途に応じて使い分けができる路線です。

前述のとおり、速度・所要時間とも一番かかる路線なのですが、唯一淀川の東側を通っている路線であることや、特急料金が不要にもかかわらずすばらしい内装と座り心地を誇る車両など、個性的な面を持っています。今後は「京阪特急プレミアムカー」という有料座席指定車両も登場します。 

sunstar78.hatenablog.com

 

東海道新幹線

shinkansen

最後に、京都と大阪をつなぐ最速の乗り物として、東海道新幹線があります。

京阪間の移動に使うかどうかはおいておいて、東海道新幹線が一番早いのは言うまでもありません。普段の京都大阪間の移動に使用することはほとんどないと思いますが……。

今回の比較対象には一応入れておきたいと思います。

 

京都―大阪間の4路線の比較

それでは、この4つの移動手段を比較してみます。

表にしてみると、こんな感じです。

交通手段 所要時間 営業距離 電車の間隔 料金
JR京都線 約28~31分(京都駅-大阪駅間) 42.8キロ 約15分ごと 560円
阪急京都線 約43分(河原町駅-梅田駅間) 47.7キロ 約10分ごと 400円
京阪本線 約54分(出町柳駅淀屋橋駅間) 51.6キロ 約10分ごと 470円
東海道新幹線 約14分(京都駅-新大阪駅間) 39.0キロ 約5~10分ごと 1,380円(自由席利用)

 

速さ

Yamashina station, Japan

それでは個別に、まずは速さの点から見てみます。

 

JRはダントツに速く、京都駅~大阪駅JR西日本の誇る新快速が最速わずか28分で結びます。私鉄には太刀打ちできない速さですが、四条河原町四条烏丸から大阪駅へ移動する場合、一度京都駅へ出てJRで移動するのと、そのまま阪急で移動するのでは、あまり差が無さそうです。

阪急は河原町駅~梅田駅を最速43分で結びます。これは特急の場合であり、朝ラッシュおよび夕方以降に設定される快速急行では、これよりも停車駅が増えるため遅くなります。

京阪は出町柳駅淀屋橋駅間を最速54分で結びます。阪急と比べるとかなり遅く感じますが、淀屋橋駅から阪急河原町駅に近い祇園四条駅までなら49分で着くためそれほど変わりません。

阪急の方が速いからと行って、わざわざ淀屋橋から梅田に乗りに行くほどのメリットはないということですね。この私鉄2本については、大阪方面の行き先で使い分けるのが良さそうです。

 

もちろん、新幹線に乗ればわずか14分で京都駅~新大阪駅間を移動できます。わざわざこの距離で新幹線に乗るかという点と、大阪方が大阪駅ではなく新大阪駅というのがポイントです。

 

安さ

Hankyu

次に値段の点から見てみます。

 

JRは私鉄と比べると値段が高く、京都駅~大阪駅間で560円かかります。ですがこの値段では対私鉄で不利なため、私鉄対策ともいえる「昼特きっぷ」という仕組みがあります。

 

昼特きっぷは、一定の駅間を指定して購入する回数券きっぷです。回数券のため単発では利用できないように思えるのですが、この昼特きっぷは駅の周辺にある金券ショップや金券ショップの自動販売機で1枚から購入できます。つまり、若干購入に手間がかかるものの、単発の片道や往復の利用でも回数券である昼特きっぷを利用できるのです。

この仕組みを知っている人はうまく利用して安く移動し、あまりJRを利用しない人や観光客などは正規料金で移動していることになります。この仕組を知っている人はつまり頻繁に電車移動をする人なので、JRにとっては常連といえるお客さんであり、常連をうまく囲い込んで乗降客数を伸ばすといううまい作戦になっているわけですね。

 

阪急はこの中で最も安く、河原町駅~梅田駅を400円で移動できます。

 

京阪は阪急よりも高く、出町柳駅淀屋橋駅間で470円です。こちらも、阪急の河原町駅に近い祇園四条駅淀屋橋駅間で考えると410円となり、阪急とほぼ変わらない値段になります。祇園四条駅出町柳駅間の料金(特に、三条駅出町柳駅間は鴨東線として本線の開業よりかなり遅れて開設されたため、その工事費をまかなうための追加運賃が設定されています。)で見た目上高くなっているわけですね。

 

阪急と京阪についても、金券ショップで土日のみ利用できる回数券を1枚から購入し、運賃を安くできます。金券ショップの使い方については後述します。

新幹線は速さでも在来線と私鉄には比較になりませんでしたが、運賃でも京都駅~新大阪駅で1,380円(自由席利用時)であり、やはり比較になりません。

 

ターミナル駅

Demachiyanagi Station, Keihan

最後にターミナル駅の点から考えます。

 

JRは言わずもがな、京都駅と大阪駅です。京都の場合、昔から栄えていた他の都市と同じように、JRの中心駅が都市の中心部から外れたところにあります。

京都市の中心部といえば四条通河原町通があるエリアで、京都駅周辺はそれに次ぐ2番目の繁華街といった位置づけです。そのため、京都駅から四条や河原町のエリアへ移動するには、京都駅から地下鉄や市バスなどを利用して移動する必要があります。

 

一方の阪急は、JRとは違い京都市の中心部である四条河原町ターミナル駅としています。大阪側はJR大阪駅と同じエリアである梅田です。

JRと阪急では、大阪側のターミナルは同じであるものの、京都側のターミナルが異なります。つまり、京都駅周辺に行きたいのか、四条周辺に行きたいのかによって使い分けられるということです。

 

もう一つの私鉄である京阪は、JR・阪急のどちらとも異なり、出町柳淀屋橋をターミナルとしています。

京都側・大阪側とも最大の繁華街には到着しないのですが、京都側は祇園四条駅にも停まるため、阪急とは鴨川を挟んで乗りかえられる場所です。出町柳から鞍馬など京都市内の北部へ行ったり、淀屋橋から大阪の大阪のミナミへ行ったりと、目的地によって便利に利用できます。

 

京都・大阪間を安く移動する方法(追記あり

ここまでは京都・大阪間の移動方法の種類や違いを見てきましたが、ここからはどう使えば安く早く移動できるかを考えます。

京都・大阪間に限らず関西でよく利用されるのが、先ほども少し触れた、金券ショップによる電車代の節約です。

 

駅の券売機ではなく、金券ショップに流れた乗車券を券売機より安く購入することで、通常安くしようのない電車代を節約できます。

具体的には、JRの場合は6回分の回数券として販売されており平日の昼間と土日祝日・年末年始に使用できる「昼間特割きっぷ(通称:昼特きっぷ)」をバラで購入し、阪急・京阪の場合は「土・休日回数券」(阪急)や「土・休日割引回数券」(京阪)と呼ばれる土日・祝日のみ有効な回数券をやはりバラで購入し、利用することになります。

 

具体的にどれくらい安くなるかは下表のとおりです。JRでは京都駅―大阪駅間が540円から350円に、阪急では河原町駅-梅田駅間が400円から約286円に、京阪は出町柳駅淀屋橋駅間が470円から約336円になります。

この割引運賃は回数券として購入した場合の1枚あたりの金額なので、金券ショップでバラで購入した場合はもう少し高くなります。

 

土日祝日の京都―大阪間は、平日の通勤・通学と並んでJRと私鉄が激しく競争している時間帯であり、各社が移動客を取り込もうと強力な割引運賃を設定しています。

券売機では回数券という形でしか購入できませんが、金券ショップでは若干高くなるものの回数券をばらした乗車1回分のきっぷを購入できます。

 

乗車前に金券ショップに立ち寄るという手間は発生するのですが、大きな駅の近くには必ずといっていいほど金券ショップがあるので、電車の時間と相談して金券ショップできっぷを購入するとお財布にも優しくなります。

頻繁に移動する場合は、結構ばかにならない節約効果がありますよ。

交通手段 正規運賃 1枚あたり割引運賃
JR京都線 京都駅-大阪駅 540円 350円
阪急京都線 河原町駅-梅田駅間 400円 約286円
京阪本線 出町柳駅淀屋橋駅間 470円

約336円

※(2019年2月追記)JRの昼トクきっぷは廃止されました。

 

(2019年2月追記)JRの昼トクきっぷ、阪急の回数きっぷが販売終了

JRを安く利用する手段であった「昼トクきっぷ」、阪急を安く利用する手段であった「きっぷ式回数券」が、2018年9月末をもって販売終了しました。

これまでは、金券ショップできっぷ式回数券のバラ売りを購入することで、阪急ならば河原町ー梅田間400円が300円~310円程度まで割り引かれ、最安値で移動することができました。

きっぷ式回数券の販売が終了したことで、これまでメジャーな方法であったきっぷ式回数券のバラ売りという方法が使えなくなってしまいました。

 

JRについては、ICOCAPiTaPaを利用することで、乗車回数に応じた割引(ポイント付与)が行われる仕組みが導入されました。しかし、一月に12回乗車しなければ以前のような割引率になりません。安く移動するという視点から考えると、JRはかなり厳しくなってしまいました。

 

一方の阪急では、カード式でバラ売りができないタイプの「回数券カード」はこれまで同様に販売が継続されています。

回数券カードには、普通回数券、時差回数券、土・休日回数券の3種類があり、それぞれ、普通回数券は10回分の運賃で11回、時差回数券は10回分の運賃で12回(「ハーフ」は5回分の運賃で6枚)、土・休日回数券は10回分の運賃で14回(「ハーフ」は5回分の運賃で7回)利用できるものです。

この回数券カードは「購入日翌月から起算して第3月の末日まで」利用できます。つまり、簡単にいえば、約3ヶ月と少しの間にこの回数を利用するなら、この回数券カードを購入することでこれまで通りの割引率でお得に乗車できるということです。

 

「回数券カードを使い切れない……」という方にも、朗報です。実は、「回数券カードから引き換えたきっぷ式回数券」というものが存在するのです。これは、文字通り回数券カードを使って発行したきっぷ式回数券のことで、引き換えた当日のみ有効となっています。おそらく、回数券カードのままだと複数人で利用できないために、当日のみ有効のきっぷ式回数券に引き換えができるのでしょう。

一部の金券ショップでは、毎日その日に販売できるであろう分のきっぷ式回数券を引き換えて、店頭で販売しています。以前のきっぷ式回数券よりはお得度合いが下がっており、販売されている枚数も限られているものの、入手できる場合があります。

一回乗車するだけという場合はこちらを狙ってみるといいでしょう。

 

ちなみに、依然として京阪ではきっぷ式回数券も販売されてます。 

 

まとめ

以上、京都と大阪間の移動方法について、かかる時間や費用、ターミナル駅をはじめとする比較や、どうすれば安く移動できるかまでをまとめてみました。

移動にかけられる時間や費用、出発地と目的地、乗継の便利さ、シートの座り心地など、1時間弱の日常の移動にも選ぶポイントがいろいろあります。

それぞれの場合に合わせて、ちょうどいい移動手段を選んでみてください!

 

京都から伊丹空港への移動には、こちらの記事をどうぞ。

sunstar78.hatenablog.com

 

また、京都市内の移動には、こちらの記事をどうぞ。

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