京都の日々々記

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モジュラーシンセサイザーの祭典「KYOTO FESTIVAL OF MODULAR 2015」に行く その1

こんにちは。

 

5月23・24日に京都で開催された、「KYOTO FESTIVAL OF MODULAR 2015(京都モジュラーシンセフェスティバル2015)」に行ってきました。私が行けたのは23日だけでした。なかなかニッチな世界だと思いますが、非常に興味深いイベントでした。

 

モジュラーシンセとは

 

そもそも、モジュラーシンセと言っても???という方も多いと思いますので、少しだけ解説を。

 

モジュラーシンセとは、電子音を制御して演奏する楽器であるシンセサイザーの一種で、中でも特に自由度の高いシンセサイザーです。ここでのシンセサイザーとはいわゆる「キーボード」と呼ばれる楽器の一種だとイメージしていただくといいかと思いますが、ピアノやオルガンといった鍵盤楽器、バイオリンなどストリングスやトランペットなどのブラス、その他いろんな楽器の音を鍵盤を弾いて演奏するものとは異なり、純粋に電子音(ピーとかビーとかブーとかザーとか(笑))をあれこれいじることで音を奏でるというものです。

 

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photo by Synthesizers

 

もっとも、シンセサイザーになると、鍵盤の付いていないものも多くあります。要は電気を制御して電子音を出す楽器が、シンセサイザーというわけですね。

 

シンセサイザーは、古くはテルミンなどが存在していましたが、実際にシンセサイザーという名前で呼ばれ、楽器として普及しだしたのは1960年代後半からと思われます。その頃モジュラーシンセが発明され、巨大なタンスのようなモジュラーシンセにパッチケーブルという線を何十本も繋ぎ、電気信号を加工することで、自分の欲しい音を作り演奏されていました。そういうわけで、この当時の巨大なシンセ、目が飛び出るような価格であったようです。

 

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photo by ldandersen

 

シンセサイザーはその後も進化を続け、電気・電子技術の進化とともにより小型・安価になり広く普及し、電子回路の動きをデジタル処理で置き換えるデジタル・シンセサイザーが開発され(もともとの電子回路で制御するものは、アナログ・シンセサイザーと呼ばれます)、今日ではむしろこのデジタル・シンセサイザーが一般的になっています。

 

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当初は効果音のような使い道しかなかったシンセサイザーによる演奏ですが、多くのミュージシャンにより使い方が研究され、プログレッシブ・ロックにおいてその奏法が確立されました。その後、シンセサイザーの進化とともに、テクノを始めとする電子音楽も生み出しながら、現在でも幅広い分野の音楽で使用され、なくてはならない楽器の一つとなっています。

 

で、モジュラーシンセというのは、簡単に言うとシンセサイザーの中でももっとも複雑で原始的で自由度の高い楽器です。現在普通に使用されるシンセサイザーは、よく使う回路の使い方のみが結線され、あえて音をつくる自由度を絞ることで、簡単に使えるようになっているものがほとんどです。しかし、モジュラーシンセは、あらゆる結線方法が選択できるのです。

 

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そういうわけで、モジュラーシンセは、小型化が進んできたシンセサイザーの世界においては、一部のマニアックな用途に使用される以外はずっと下火となっていました。

 

ですが、ここのところ、世の中でパソコンやスマートフォンをはじめとするデジタル化が一気に進行した結果なのか、むしろアナログに回帰するような動きがあると思います。(例えば、モジュラーではないアナログのシンセサイザーや、真空管入りギターエフェクターなども、地味に人気が出てきている気がします。)

 

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こういった時代背景のなか、モジュラーシンセサイザーのようなアナログな楽器も静かなブームとなっているのか、こういったイベントも開催されるようになったのですね。

 

もっとも、今日のモジュラーシンセは、アナログの電気回路を使用しているものばかりではなく、電気回路を演算処理で代替しているデジタルなモジュラーシンセもあります。

 

 

さて、少しだけ書くつもりが、前置きが長くなりました。

フェスの詳細は次回に続きます。

 

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