煮干しスープにこれでもかという量の背脂を振りかけたラーメンが有名な、「セアブラノ神」さんに行ってきました。
背脂といえば、京都系ラーメンではおなじみの、スープにコクを出すために仕上げに背脂を少しふりかけるという「背脂ちゃっちゃ」ですが、こちらのラーメンはこういった京都系ラーメンとは驚くほど異なっていたので、詳しく書きたいと思います。
セアブラノ神とは
セアブラノ神さんは四条大宮の近く、壬生に本店を構えるラーメン屋さんです。
オープンは2013年と最近できたお店ですが、その独特のラーメンが話題となり人気を誇っています。
今回は、最近オープンした伏見にある2号店へ行ってきました。場所は、近鉄・伏見駅のすぐ近くです。京都のラーメン激戦区といえば左京区の一乗寺が有名ですが、その一乗寺ほどではないものの、伏見にも多くのラーメン屋さんがあります。
ラーメンにおける背脂の役割と、「背脂の神」である理由
セアブラノ神さんは、名前にあるとおり、背脂で有名なお店です。京都に昔からあるラーメン屋さんではお馴染みの、「背脂ちゃっちゃ」。細かく刻んだ背脂をスープに加えることによって、油のうまみや甘さがラーメンに加えられ、ラーメンやスープの美味しさが増すというものです。
ベーシックな京都ラーメンが楽しめる珍遊さんを例にあげると、背脂はこんな感じ。分かりにくいですが、写真の右下を中心にスープのアクのようにも見える白い背脂が少し浮かんでいます。これくらいなら、ラーメンのアクセントとして機能しそうですね。
セアブラノ神さんは、文字どおりこの背脂で有名なのですが、どういう意味なんでしょうか。それは後ほど。
さらに、一般的な京都ラーメンは豚骨や鶏ガラのスープが多く、こういったスープに背脂がかけられることが多いですが、セアブラノカミさんはまさかの魚介系スープ!煮干しなどのダシが効いたスープに豚の背脂を合わせるという点が、珍しい組み合わせです。
セアブラノ神さんのラーメン
そんなセアブラノ神さん。今回は初めての訪問なので、お店のメインメニューである背脂煮干しそばを注文しました。外にある券売機で食券を買い、席に通されます。
最近できたお店だけに、中はとても清潔感があり綺麗です。ラーメン屋さんらしくなく、ランチョンマットまであります。お水ではなくお茶なのは嬉しいポイントですね。
入店してしばらくすると、ご飯どきということもあり、順番待ちの列ができていました。
太麺が使用されているため少し時間がかかりますが、しばらくの後到着。
つべこべ言わず、まずはそのラーメンを見てみましょう。
どうでしょう?レアなチャーシューが美味しそうですね。
ところで、このスープ一面に浮かんでいる白いものはネギ?それとも玉ねぎ……?いや、どちらも鉢の上の方にありますね……。
つまり、スープに所狭しと浮かんでいる物体、これこそが背脂なのです!細かく刻まれた背脂が、スープの中にあるはずの麺を見えなくするほど投入されています。
なるほど……これが背脂の神の正体なわけですね……!
いざ食べてみると、麺を箸で持ち上げるとこの背脂が麺に絡まってきます。太麺と背脂そして煮干しの効いたスープの組み合わせがいい感じです。このスープ、煮干しだけ?で出汁をとっているのか、かなりあっさり目です。そのおかげで、これだけ背脂が入っているにもかかわらず、それほどしつこいという感じもなく完食することができました。
食べる前は食後に胃もたれすることを覚悟していたのですが(笑)、意外にもこってり度でいうと大したことはなく、あっさりしているとは言いませんが、万人が美味しいと感じる普通のレベルでした。
魚介+獣のスープや、魚介・獣単体のスープというのはよくありますが、魚介単体のスープ+スープ以外でラーメン全体の味に作用する獣のトッピングというのが斬新に感じました。あっさりスープとこってり背脂のコンビネーションという、個人的には新境地を感じた味でしたよ。
まとめ
そんなわけで、スープを埋め尽くす背脂と煮干しスープという肉と魚の組み合わせが味わえる、セアブラノ神さんでした。京都ではなかなか他にない感じのラーメンなので、いつものラーメンと違った味を試してみたいときに行ってみるといいかもしれません。
本店はもちろん人気店ですが、この伏見のお店も人気となりつつあるようです。時間によっては待ち時間も必要ですが、お店が増えたということはそれだけ訪れやすくなったということ。嬉しい限りですね。
「背脂の神」を堪能してみたい方は、一度セアブラノ神さんを訪れてみてください!