By J o (Photo taken by J o.), via Wikimedia Commons
京都市中心部・烏丸御池にある複合商業施設「新風館」が、敷地内に新たにホテルを建築し、地下にも拡張すると発表されました。
新風館とは
今の新風館の建物は取り壊し?
そんなわけで、歴史的にも価値がある烏丸通沿いの洋館は取り壊さず、新たな建物の建築と敷地内の地下を利用してリニューアルを進めることになったようです。
広場とステージは残る?
一方で、このリニューアル案をみると、新風館のもう1つの顔である広い中庭とステージがどうなるのかがよく分かりません。
上述の報道によると、既存商業施設の中庭は継承するとのことですが、現在の中庭と同じスペースを残すのか、縮小するのかまでは触れられていません。
(仮称)新風館再開発計画の断面図(上記記事より転載)
新風館の現在の延床面積は、地上3階地下1階建てで約6,082平方メートルです。(NTT都市開発ホームページより)
リニューアル後の延床面積は約30,200平方メートルとなる予定であり、西側の洋館部分を除くと約27,900平方メートルの増築となります。
単純に計算すると、現在約3,100平方メートルの3階建の建物部分を7階建(一部は3階建)にし、さらに敷地全体(6,385平方メートル)に地下2階までのフロアを新設するので、建物部分が2倍(6,200平方メートル)と地下部分が2フロア分(約12,700平方メートル)と考えると、合わせて約20,000平方メートル弱。
27,900平方メートルには足りないため、やはり現在の中庭部分にも建物が建てられるのでしょうか。
個人的には流行発信基地として、新風館の広い中庭と屋外ステージは大切な役割を持っていると思うので、リニューアル後もぜひ現在の同じかそれ以上の規模で残して欲しいと思います。屋外ステージについては一切触れられていないのが怖いところですが……。
(追記)リニューアル後の姿が発表され、工事がスタート!
NTT都市開発ホームページより引用
2017年10月、生まれ変わる新風館の姿が発表され、あわせて建物が着工されました。
新たな新風館は、地上7階地下2階、延べ床面積約26,000㎡となり、当初の計画どおりホテルと商業施設が入る複合施設になります。アクセス面では目の前にある地下鉄烏丸御池駅と地下2階で直結し、これまで以上に便利な場所になりそうです。
完成予定は2019年7月とのこと。 元の建物のようなレンガ色を基調とした建物で、保存された部分ともマッチしそうですね。少しずつできあがっていくのが楽しみです。
(追記)新風館は「エースホテル京都」に生まれ変わります
2018年4月、リニューアル後の新風館には「エースホテル」が開業することが発表されました。
エースホテルはアメリカ・シアトルで創業。古い建物を先進的にリニューアルしたデザイン性の高いスタイルで有名で、業界では「エースホテル風」という言葉もあるそう。アメリカ・イギリスに9つのホテルを運営していますが、アジア圏への進出は初めてです。
エースホテル京都は213室の客室を持ち、ホテル以外にも約20店舗の商業施設ができるとのこと。
建物のデザインは建築家の隈研吾が監修するそうで、新風館から残されたれんが造りの建物や周辺の街並みとも調和して、新風館時代以上に賑やかになりそうです。
まとめ
以上、新風館へのホテル新設と建物増設・地下化によるリニューアルのニュースでした。
東京や大阪と同じく、最近は京都市内もホテルが大きく不足しているため、ホテルの設置は理にかなった改築方法なのだと思います。既存の店舗部分も延床面積からみると拡張されることになるので、あとは中庭とステージの部分だけがどうなるのかな?といったところです。
ぜひ、現在の開放的な雰囲気を残して、より魅力的なスポットへと改装してほしいなと思います。
こちらのニュースも、新たな情報が公開され次第、取り上げていきたいと思います。
余談ですが、最近新風館と近くにあるLAQUE四条烏丸が頻繁にコラボしたキャンペーンを行っているなと思っていたのですが、どちらもNTT都市開発の運営だったんですね。