京都の日々々記

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新風館が、ホテルの新設&地下化でリニューアルされます

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By J o (Photo taken by J o.), via Wikimedia Commons

京都市中心部・烏丸御池にある複合商業施設「新風館」が、敷地内に新たにホテルを建築し、地下にも拡張すると発表されました。

歴史ある洋館をリノベーションしたスポットとして人気の新風館ですが、いったいどのような変化を遂げるのでしょうか?
 

新風館とは

新風館は、京都市中心部の烏丸御池に位置する商業施設です。このあたりはもともとビジネス街でしたが、近年この新風館四条烏丸のLAQUE四条烏丸などができたことで、おしゃれな繁華街としての側面も持つようになってきました。
 
 
もともとは、1921年に竣工した敷地内西側・烏丸通沿いにある京都中央電話局の洋館が発端となっている施設です。
その後、電電公社やNTTがオフィスビルとして使用されていましたが、2001年に現在の商業施設へと改築され新風館としてオープンしました。その際にこの歴史ある建物も内部を改装して使用され、レトロなオフィスビルが外観はそのままに現代的な要素も取り入れてモダンに生まれ変わった施設となり、独特の風格を漂わせています。
またこういった経緯から、新風館は現在もNTT系のNTT都市開発が所有し運営しています。
 
現在は、この歴史ある建物をはじめ複数の建物が敷地中心部の中庭をぐるりと囲むように建っており、衣料品店や雑貨店、飲食店など30店が入居するとともに、中庭には立ち見も含めて最大1,500人が観ることができる屋外ステージ・Re-Cue Hallがあり、定期的にイベントも開催されるなど、流行の発信地としての役割も担っています。

今の新風館の建物は取り壊し?

そんな新風館のリニューアル計画ですが、当初発表された内容では既存の建物をどこまで残すかが決定しておらず、一部では既存の建物の上にビルを増築するという報道もありました。
 
せっかくのレトロで素敵な建物が取り壊されてしまったり、不似合いな現代的なビルが既存の建物の上に生えてしまうのかな……などと個人的に心配していました。ですが先日新たに発表されたリニューアルの概要によると、既存の建物は建物自体には手をつけず、新たに新棟となる建物を建設するということでした。
 

www.constnews.com

 

そんなわけで、歴史的にも価値がある烏丸通沿いの洋館は取り壊さず、新たな建物の建築と敷地内の地下を利用してリニューアルを進めることになったようです。

 

広場とステージは残る?

http://www.flickr.com/photos/35336901@N00/100800487

photo by gochie*

一方で、このリニューアル案をみると、新風館のもう1つの顔である広い中庭とステージがどうなるのかがよく分かりません。

上述の報道によると、既存商業施設の中庭は継承するとのことですが、現在の中庭と同じスペースを残すのか、縮小するのかまでは触れられていません。

 

(仮称)新風館再開発計画の断面図

(仮称)新風館再開発計画の断面図(上記記事より転載) 

 

新風館の現在の延床面積は、地上3階地下1階建てで約6,082平方メートルです。(NTT都市開発ホームページより)

リニューアル後の延床面積は約30,200平方メートルとなる予定であり、西側の洋館部分を除くと約27,900平方メートルの増築となります。

 

単純に計算すると、現在約3,100平方メートルの3階建の建物部分を7階建(一部は3階建)にし、さらに敷地全体(6,385平方メートル)に地下2階までのフロアを新設するので、建物部分が2倍(6,200平方メートル)と地下部分が2フロア分(約12,700平方メートル)と考えると、合わせて約20,000平方メートル弱。

 

27,900平方メートルには足りないため、やはり現在の中庭部分にも建物が建てられるのでしょうか。

 

個人的には流行発信基地として、新風館の広い中庭と屋外ステージは大切な役割を持っていると思うので、リニューアル後もぜひ現在の同じかそれ以上の規模で残して欲しいと思います。屋外ステージについては一切触れられていないのが怖いところですが……。

 

(追記)リニューアル後の姿が発表され、工事がスタート!

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NTT都市開発ホームページより引用

2017年10月、生まれ変わる新風館の姿が発表され、あわせて建物が着工されました。

新たな新風館は、地上7階地下2階、延べ床面積約26,000㎡となり、当初の計画どおりホテルと商業施設が入る複合施設になります。アクセス面では目の前にある地下鉄烏丸御池駅と地下2階で直結し、これまで以上に便利な場所になりそうです。

完成予定は2019年7月とのこと。 元の建物のようなレンガ色を基調とした建物で、保存された部分ともマッチしそうですね。少しずつできあがっていくのが楽しみです。

 

(追記)新風館は「エースホテル京都」に生まれ変わります

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2018年4月、リニューアル後の新風館には「エースホテル」が開業することが発表されました。

エースホテルはアメリカ・シアトルで創業。古い建物を先進的にリニューアルしたデザイン性の高いスタイルで有名で、業界では「エースホテル風」という言葉もあるそう。アメリカ・イギリスに9つのホテルを運営していますが、アジア圏への進出は初めてです。

エースホテル京都は213室の客室を持ち、ホテル以外にも約20店舗の商業施設ができるとのこと。

建物のデザインは建築家の隈研吾が監修するそうで、新風館から残されたれんが造りの建物や周辺の街並みとも調和して、新風館時代以上に賑やかになりそうです。

 

まとめ

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以上、新風館へのホテル新設と建物増設・地下化によるリニューアルのニュースでした。

 

東京や大阪と同じく、最近は京都市内もホテルが大きく不足しているため、ホテルの設置は理にかなった改築方法なのだと思います。既存の店舗部分も延床面積からみると拡張されることになるので、あとは中庭とステージの部分だけがどうなるのかな?といったところです。

ぜひ、現在の開放的な雰囲気を残して、より魅力的なスポットへと改装してほしいなと思います。

 

こちらのニュースも、新たな情報が公開され次第、取り上げていきたいと思います。

 

余談ですが、最近新風館と近くにあるLAQUE四条烏丸が頻繁にコラボしたキャンペーンを行っているなと思っていたのですが、どちらもNTT都市開発の運営だったんですね。

 

shinpuhkan.jp