有名な歴史上の人物が京都の街を練り歩くーーこんな興味をひかれるお祭りが京都にあります。
今日は、10月22日に行われた京都三大祭の一つ・時代祭を見てきたので、紹介したいと思います。
誰もが知っているあんな人やこんな人(の仮装)を見ることができました。日本史が好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめるお祭りですよ。
時代祭とは
時代祭は、毎年10月22日に行われる平安神宮のお祭りです。祇園祭・葵祭と合わせて京都三大祭の一つに数えられます。
時代祭がどんなお祭りかというと、平安神宮が創立された明治維新の時代から京都に都が移った延暦(西暦782年~806年の元号)期までの8つの時代を、それぞれの時代衣装に身を包んだおよそ2,000人が2キロに渡って行列をつくり、約3時間をかけて京都御所から京都市中心部を通り平安神宮まで練り歩く……というものです。「生きた時代絵巻」とい表現もされています。
一見すると、時代衣装によるコスプレパレードに見えるかもしれません(笑)。
厳密には、時代衣装による行列は、時代衣装による行列の後ろに控える神幸列(平安神宮の祀る桓武天皇と孝明天皇の鳳輦(ほうれん)を中心とした列)に仕えている壮大なお供であり、「平安神宮に祀られている桓武天皇と孝明天皇が、お供の行列を従えて京都市内の様子を見て回りながら平安神宮へ行く」というのが本来の姿です。
時代祭は明治時代に創建された平安神宮のお祭りであり、祇園祭や葵祭と比べると歴史が浅いこと、また開催日が平日になることも多いことから、京都に住んでいてもややマイナーに感じるイベントです。
京都市民として感じるお祭りのメジャー度合いは、
といった具合でしょうか。
私も実際に見たのは今回が初めてでしたが、思いのほかおもしろいお祭りだと感じました。
時代祭のようす
それでは、時代祭のようすを写真・動画を交えて見ていきましょう。すべてではなく部分的に紹介します。
時代祭の行列は、名誉奉行を戦闘に、明治維新自体から順にさかのぼり、最後に行列の本体である神幸列へと続きます。
行列自体は割りとゆっくり進むため、烏丸御池から、行列のやって来る御所へ向かって、さかのぼって歩いていっています。
通行止めとなる烏丸通。
沿道にはお祭りの行列を見にきた人が並んでいます。祇園祭の山鉾巡行などと比べると、幾分人が少なく見やすそうです。
名誉奉行
行列の先頭は、名誉奉行と呼ばれる一行です。
先頭の列。
明治維新時代
時代行列の先頭を行くのは、明治維新の維新勤王隊列です。
賑やかで楽しげだったので、動画でもどうぞ。
明治維新で活躍した志士たちが順にやってきます。写真は中岡慎太郎と高杉晋作です。
江戸時代
続いては江戸時代。
徳川城使上洛列という、徳川家が朝廷の儀式の際に遣わせていた行列の再現です。
掛け声をはじめとしたパフォーマンスが見られ、行列の中でも最も賑やかな場面です。
そして、江戸時代夫人列。皇女和宮や出雲阿国など、有名な人たちがやってきます。
安土桃山時代
続いて安土桃山時代。まずは豊臣家が朝廷に参上する際の行列です。
そして、織田信長が京都へ上洛したときの再現。
羽柴秀吉。
右に小さく写っているのが織田信長。
柴田勝家。
室町時代
次は室町時代です。
橙色の装束を身につけているのが、足利将軍です。
管領などについた氏族が続きます。
一風変わって華やかなのが、当時町衆によって行われた「風流踊り」を再現する室町洛中風俗列です。
外国人観光客も多かったです。
吉野時代
続いては吉野時代。
元弘の乱で鎌倉幕府が滅び、後醍醐天皇が流罪先の隠岐から京都へ凱旋する際に警護についた、楠木政成一族の行列を再現しています。
そして中世夫人列。
京都市北部の大原から、頭に薪などを乗せて行商をしていた大原女(おおはらめ)の列です。
荒ぶっている馬。
長い行列のため、時々渋滞して進まないことも。
小さい子供は疲れてしまったようです。
鎌倉時代
鎌倉時代は行列が短いのが特徴です。
後鳥羽天皇が朝廷の権威を取り戻すために催した、やぶさめの大会の様子を表しているようです。
藤原時代
藤原時代、つまり平安時代ですね。藤原時代は女性の列が見どころです。
巴御前。
延暦時代
そして延暦時代。東征を終え京都に凱旋する坂上田村麻呂をメインとした行列です。
神幸列
このあと、時代祭行列の本体といえる、平安神宮のご祭神の行列である「神幸列」があるのですが、なんとここでカメラが電池切れ……。
長大な行列のメインである神幸列は、ぜひ自分の目でご覧ください(笑)。
まとめ
以上、華麗な時代装束の行列が見られる時代祭の紹介でした。
時代祭に関するより詳しい情報は、以下をご覧ください。
祇園祭と比べると少しマイナーなお祭りですが、特に日本史が好きな方はとても興味深く鑑賞できるのではないでしょうか。延々と続く行列はなかなかの見ごたえで、道沿いに張り付いてじっくり眺めるもよし、沿道のカフェなどからゆったりと見るのもよしだと思いました。どこかいいお店がないか調べたいですね。
平日に当たることも多く見ることが難しい年もありますが、機会があれば動く時代絵巻を眺めて、歴史に想いをはせてみるのもいいのではないでしょうか。
祇園祭については、こちらをどうぞ。