グーグルマップより
敦賀駅から先のルートがまだ決まっていない北陸新幹線ですが、JR西日本が26日、敦賀以西のルートについて与党の委員会で見解を示したので、北陸新幹線のルート案と合わせてまとめてみたいと思います。
ちなみに、以前にも北陸新幹線について取り上げています。
北陸新幹線の5つのルート案
まずは、現在上がっている北陸新幹線のルート案5つを、順番に見ていきたいと思います。
①小浜ルート(敦賀市〜小浜市〜亀岡市付近〜大阪市)
1つ目の小浜ルートは、福井県小浜市を通り、そのまま直線で大阪市へ向かうものです。
北陸新幹線が計画された当初からの、小浜市を通って大阪市へ向かうという案を踏襲したルートですが、大きな需要が見込める京都市を通らないという難点があります。
②琵琶湖西岸ルート(敦賀市〜(琵琶湖西岸)〜京都市〜大阪市)
2つ目の琵琶湖西岸ルートは、小浜市へは向かわずに敦賀駅から南下し、琵琶湖の西岸を経由して京都市、大阪市へ向かうものです。
このルートは強風で頻繁に在来線が運休する琵琶湖西岸を通るため、新幹線でも強風対策が必要となるという難点があります。
③米原ルート(敦賀市〜(米原駅)〜京都市〜大阪市)
3つ目の米原ルートも、小浜市へは向かわずに敦賀駅から南下し、すでに東海道新幹線が走っている米原駅へ向かい、東海道新幹線に乗り入れて、あるいは東海道新幹線に乗り換えて京都市、大阪市へ向かうものです。
このルートは建設する距離が短いため、建設期間や建設費はもっとも少ないものの、米原からはすでに過密状態にあり、運行方式も異なる東海道新幹線に乗り入れるという前提であり、現実的には解決しないといけない点が多そうです。リニア中央新幹線が全通し、既存の東海道新幹線の運行数が減れば、あるいは可能かもしれません。
④小浜ー京都ルート(敦賀市〜小浜市〜京都市〜大阪市)
4つ目の小浜ー京都ルートはJR西日本が社内で検討して発案したものであり、その名のとおり小浜市と京都市の両方を経由して大阪市へ向かうというルート案です。
当初計画にある小浜市と、大きな旅客需要が見込める京都市をどちらも取り込むいいとこ取りのルート案であり、距離や建設費は増えるもののメリットも大きい方法だといえます。
⑤舞鶴ルート(敦賀市〜小浜市〜舞鶴市〜京都市〜大阪市〜関西空港)
もっとも最後に発案されたのが5つ目の舞鶴ルートであり、小浜市からさらに京都府舞鶴市を経由し、京都市も経由して大阪市へ向かうというものです。京都府などはこのルートを押しています。このルートを提起した京都府選出の西田昌司参議院議員は、大阪市からさらに関西国際空港まで繋げることを提案しています。
このルート案はいいとこ取りの小浜ー京都ルートをさらに拡大したものであり、敦賀駅から大阪市までの距離についてはもっとも長くなるとともに、建設費も高額になります。
JR西日本の意見
JR西日本が発言した内容をまとめると、以下の3点に集約されます。
この3点から考えると、東海道新幹線への乗り換えが必要か東海道新幹線の便数が減ることが前提の③米原ルート、小浜市と京都駅を経由しない①小浜ルートと②琵琶湖西岸ルートは、JR西日本の考えからは外れることになります。
もちろん、JR西日本の意見だけでルートが決まるわけではないですが、実際に北陸新幹線を運行することになるJR西日本の意見は大きな影響力があるのも事実です。
まとめ
これらを考えると、今のところ④小浜ー京都ルートが優勢であり、⑤舞鶴ルートについても検討の余地ありという感じでしょうか。
個人的には、④小浜ー京都ルートが建設費や距離、見込まれる旅客需要などを考えて一番妥当かなと思いますが、みなさんはいかがでしょうか?京都府としては⑤舞鶴ルートがもっとも経済効果が高いので押すのも理解できますが、舞鶴まで経由するのは少しルートが西に行き過ぎているようにも思えます。
北陸新幹線のルートは、与党の検討委員会によって5月までに絞り込まれるとのことで、どのような結論になるのか楽しみにしておきたいと思います。続報があれば、このブログでも取り上げていきます。
以上、北陸新幹線のルート案についての記事でした。