JR西日本が北陸新幹線の敦賀以西のルートについて、小浜市と京都市を通るという新たな案を提示しました。この機会に、いずれ全線開通するであろう北陸新幹線のルートについて、現在検討されている案をまとめておきたいと思います。
(2016年1月10日追記)新たに話題になっている、舞鶴経由のルート案について追記しました。
北陸新幹線は敦賀市まで建設中
大阪までのルートはどうなる?
現在ルートが確定しているのは敦賀までであり、最終的な目標である大阪市までの延伸については、敦賀市以降が決まっていないという状況です。1973年に決められた整備計画(いわゆる整備新幹線)では、福井県小浜市付近を通るということ、そして終点は大阪であることのみが定められています。
このーを元に、従来検討されていたルート案が3案ありました。ところが今回、突如JR西日本が第4の案を出したためニュースになったのでした。この記事では、便宜上第n案と表記します。
この4つのルート案について、1つずつ見ていきたいと思います。
その前に、この4つの案について簡単に地図を作成したので、載せてみます。
ルートの線はかなり適当ですので、ざっくりこんなものという理解でごらんください。
ルートが線、マーカーが駅です。白色が現在建設中の金沢ー敦賀間。赤色、青色、緑色、黄色がそれぞれ第1案〜第4案までを示しています。
第1案:敦賀市〜小浜市〜亀岡市〜大阪市
デメリットとしては、ルート途中は山の中を突き抜けるため高額の建設費が見込まれること、また沿線の人口が少ないことがあげられます。
第2案:敦賀市〜(琵琶湖西岸)〜京都市〜大阪市
メリットとしては、京都市を経由することで利用者が見込め、経済的な効果が大きいことがあります。
デメリットとしては、東京ー大阪間の2つ目の完全なルートとはならないこと、また運行本数の多い東海道新幹線にどれくらい乗り入れができるのか不明なことがあげられます。もし東海道新幹線に乗り入れができず新たに線路を敷くとなると、1案以上に建設費がかかる可能性もあります。
第3案:敦賀市〜(米原駅)〜京都市〜大阪市
3つ目のルート案(地図緑色線)は、敦賀市からこちらも小浜市に向かわずに、東海道新幹線も通る交通の要衝・米原駅を経由し、京都市を経て大阪市に向かうというものです。この案も、米原駅からは東海道新幹線に乗り入れることを想定しています。
デメリットとしては、同じく東京ー大阪間の2つ目の完全なルートとはならないこと、また運行本数の多い東海道新幹線にどれくらい乗り入れができるのか不明なことがあげられます。
第4案:敦賀市〜小浜市〜京都市〜大阪市
そして、今回JR西日本が出してきた案がこの第4案(地図黄色線)です。第1案と同じく整備計画にて決められた小浜市を経由し、さらに利用者数や建設費の点でもメリットの多い第2案、第3案を取り込んだ、既存3案のいいとこどりといった感じでしょうか。
実現できれば一番メリットが大きく、デメリットが少ない案のように思えます。
第5案:敦賀市〜小浜市〜舞鶴市〜京都市〜大阪市〜関西空港
(2016年1月10日追記)さらに、新たに第5案となるルートまでもが登場してきました。この第5案の特徴は、京都府舞鶴市を通ることです。第4案で小浜市まで行くのだから、どうせなら京都府北部の要衝である舞鶴市まで通しちゃえ!ということですね。
おおよそ敦賀市から大阪市までの最短ルートからは外れますが、ポイントは全て押さえるルートと言えるかもしれません。距離が長くなるというデメリットはあるものの、実は強い風の影響が運行に支障を与えることが推測される琵琶湖西岸を通らないというメリットがあります。
京都府選出の西田昌司参議院議員が提案したルートのようですが、京都府は府の南北に新幹線が通ることになるため賛成しているようです。ちなみに、西田議員は大阪天王寺経由で関西空港まで繋げるというルートを主張しています。
この第5案までを考慮に入れると、いよいよルート案が乱立してきた印象がありますね……。
まとめ
以上、北陸新幹線の現状とこの先のルートについてまとめてみました。個人的には今回の第4案が現実的かなと思いますが、みなさんはどうでしょうか?
ようやく金沢駅までやってきた北陸新幹線。敦賀市までは建設中ですが、その先どうやって大阪市につなげるかは、まだまだJR西日本や各自治体などそれぞれの立場や意見もバラバラであり未定のようです。今後北陸新幹線がどのようになっていくのかについては、また動きがあれば記事にしたいと思います。
(2016年1月28日追記)より最新の情報を反映した記事を書きました。こちらもどうぞ。